コラム
美味しい料理は心を満たしてくれます。料理人の新しい料理への探究心には感嘆と感激と感謝のくり返しです。ところで、フランス語で「新しい料理」を意味する”ヌーベル・キュイジーヌ”というと、フランス料理の特定のスタイルを指す言葉になるそうです。
初めて「新しい料理」と聞いた時は「華美で奇抜なもの」をイメージしてしまいましたが、実のところはむしろ逆でした。”ヌーベル・キュイジーヌ”の旗手と称されるポール・ボキューズ氏の提唱するスタイルは、素材本来のうまみを活かした軽く繊細なものでした。
計算されたシンプルさは日本でも愛され続ける所以かもしれません。
ところで「食べる」という行為は、そもそも活動に必要なエネルギー源や身体の構成成分といった栄養素を摂取することですが、栄養に関する研究の進展などから「新しい食」のスタイルも提唱されています。
サプリメントもそのひとつだと思います。
ただ、サプリメントを「食事の一形態」と表現すると違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。効率的に栄養素を摂取できるよう加工されたサプリメントと呼ばれる食品、そのほとんどがもとの食材の色や形の面影すらありません。「生より消化が良くなるから火を通す」といった調理の延長線上かもしれませんが、調理器具、調理法、味付け、盛り付け、マナーといった多くの要素において伝統的な食文化とは一線を画しています。サプリメントがつきつける既成概念への課題は電子レンジの発明に匹敵するかもしれません。
サプリメントが食事か否かはさておき、栄養補給にサプリメントは非常に効率的で、ハードなトレーニングを行うスポーツの競技者だけではなく、健康のために栄養を管理したい方にまで広く活用されるようになりました。すこし前までは「プロテイン」と聞くとボディビルダーの方を連想していましたが、今ではパッケージに”Shape”や”Diet”の文字まで見つけられます。
プロテイン(=タンパク質)は3大栄養素のひとつで、ポーチドエッグなどの「卵」、サーモンのエスカロップなどの「魚」、鴨胸肉のローストなどの「肉」などから摂取できます。ですが、筋力トレーニングからディナーまでの時間が空きすぎてしまう日にはプロテインサプリメントで補給するという対処法があります。また、コース料理だけでは不足してしまうアスリートの方にもプロテインサプリメントは有効かもしれません。
実際に「どのようなシーンで、どのような摂りかたをすれば良いのか」、プロテインサプリメントを取扱うヒカリスポーツの藤田さんにうかがいました。
たとえば、筋力トレーニングをしていてカラダを大きくしたい方はトレーニング直後に補給するのが効果的です。筋力トレーニング後には傷ついた筋組織を修復するために吸収が高まりますので、だいたい30分以内に摂るようにすると良いです。また、その様な方にお勧めなのは体内利用率が良い『ホエイプロテイン』です。ホエイプロテインは動物性由来の原料で味の良い商品も多く販売されています。
いっぽう、食が細くてタンパク質が不足気味、引きしまったカラダは目標にしたいけど太くはなりたくない方は就寝前と朝が効果的です。睡眠中には多くの成長ホルモンが分泌されますのでタンパク質の吸収が高まります。また、朝も胃が空っぽになっていますので摂取には良いタイミングです。その様な方には『ソイプロテイン』をお勧めします。ソイプロテインは植物性由来の原料で女性向けの商品も多く販売されています。
日本は長寿国といわれますが、忙しくて健康の基本である食事に時間と手間をかけられない方も多くいらっしゃいます。不足する栄養素を効率良く摂取できる栄養補助食品を通じて「健康寿命」を長くするお手伝いができればと考えています。
目的に応じて飲むタイミングや種類などを考える必要があるのですね。 商品を選ぶ際には普段の運動や食事、それからプロテインを補給する目的やボディメイクの目標についても専門家と相談しながらがよさそうです。藤田さんのように「健康」について親身に考えて下さる方が安心です。
食事は五感で愉しむものですので、全てをサプリメントに置き換えてしまっては味気が無いと思います。ですが、栄養補助食品としてサプリメントを活用して健康を維持できたり、競技で良いパフォーマンスができれば、おいしい料理を永くよりおいしく愉しむことが出来るかもしれません。
現在「食」に関する新情報がめまぐるしく飛び交っていますので、消化不良のまま「新しい」という理由だけで拒否したくなることもあります。ですが、特定の瞬間で時を止めてしまうことは文化的ではないと思います。本質を守りつつも時代環境に合わせて変化させていくのが文化ではないでしょうか。
食文化は料理人だけではなく、食べる側もその一端を担っていると思います。より楽しい食事のため、より健康な人生のため、鮮度の高い情報を入手してそれを活かしてまいりましょう。
※ポールボキューズ氏の名を冠するレストランは、故郷であるフランスと日本にございます。本記事制作にご協力いただきました日本での「ポール・ボキューズ」ブランドのレストランを運営する株式会社ひらまつ様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
※株式会社ヒカリスポーツの藤田様ためになるお話しをいただきありがとうございました。